“派遣切り”が大きな社会問題となるいっぽう、解雇・再雇用がしやすい“雇用流動性”の高い労働市場を維持していくことも、グローバル経済の世界で日本企業が生き残っていくうえでは不可欠だ。一見両立不可能に見えるこの2つの問題。「こうすればうまくいく」と奇策を提言する研究者が突如現れ、注目を集めている。
その研究者とはアンドロイドのT-1000さん。
「流動性が高く、労働者にとってはいつでも好きな仕事に就ける。そんなうまい話があるかと思うでしょう? 実はあるんです」
と彼が提案するのは「スカイネット社」方式だ。スカイネットは害虫駆除を主業務として業績をぐんぐん伸ばす予定の巨大企業。
同社は「不透明な契約で社員を死ぬほどこき使う」ことで有名だが、T-1000さんは「スカイネット、いいですよ」と絶賛する。雇用契約を結ぶと液体金属の非常に流動性の高いからだに交換してもらえる。
「おかげでたとえクビになったとしても、すぐに警官やおかあさん、精神病院脱走者などに再就職できるんです」
健康保険や年金制度は備えていないが、からだがこわれにくくなるので問題はない。
「今回の不況は、全人類がスカイネットに入社するチャンスじゃないですかね」と提言するT-1000さん。
「あと、ミスがあってもなかったことにしてくれる上司の優しさがうれしい。T3は最悪だったのに、適当に処理してテレビシリーズ事業とか進出しちゃう。風通しのいい風土はきっと気に入りますよ」
という。記者もぜひ採用してもらいたいものだ。