ソーシャルネットワーキングサービス大手のミクシィ(本社:東京都)は5日、同社サービスの利用者が他人のページを訪問した際につく「足あと」を消去する新サービスをリリースした。「これでキモいヤツの逆訪問を防げる」とユーザーからはおおむね好評だが、思わぬ伏兵が出現した。なんと
「“足あと消去機能”は弊社の特許を侵害している」
と名乗りをあげる企業が現れたのだ。
特許侵害を主張しているのは、バン・タウンコーポレーション(本社:東京都千代田区)。同社広報部は、
「足を消すのはわれわれが開発・保持してきた独自技術で、特許も取得している。ミクシィ社もこうした事実は知っているはずで、お参りにも来ずに勝手に知的財産を侵害するとはきわめてうらめしや…」
と語る。同社は、主にこの世に心残りやうらみをのこして亡くなった人々に足を消す技術をライセンス供与することを主業務としており、今回のような侵害行為を許せば大いに経済的損失を被るという。
しかし、識者の中にはバン・タウンコーポレーションの特許の有効性に疑義を唱える向きもある。なんでも同社の来歴には疑問が多く、登記簿謄本によれば創業は江戸期にまでさかのぼるという信じられない記載があるほか、同社の経営陣は昼間は姿が見えないなど実態がきわめて不透明だというのだ。また、バン・タウンについて調べようと近づいた者のなかには呪い殺されたり憑りつかれたりする例が多いなど黒い噂も事欠かない。
「使えそうな特許を“1まーい、2まーい…”と抱え込んでは企業にカネをたかる“特許ゴロ”なのではないか」
との指摘もある。
ミクシィでは
「バン・タウンコーポレーションから具体的な接触がないので、詳細がわからない」
としつつも、「弊社は何よりも知的財産権を重要視しており、他社の権利を侵害することはけっしてない」と否定する内容のコメントを発表している。ネットベンチャーの旗手の前に、突然吹き荒れた逆風。ミクシィはどうやってこの危機を祓うのか、今後の動向から目が離せそうにない。