“派遣切り”が横行し中部だけでも3万人が無職、最悪の場合路上で新年を迎えることになりそうだというこの時期、あの有名企業がかつて例のない失業者救済に乗り出していたことが、25日までにわかった。アメリカなどで富豪や企業が社会貢献する事例は多いが、日本ではきわめて珍しく各方面から賞賛を浴びそうだ。
この企業はファーストフード大手の日本マクドナルド(本社:東京)。調べによると同社幹部は失職派遣社員の急増を報道で知って心を痛め、こうした人々に対する救済措置として23日に
「クォーターパウンダー炊き出しキャンペーン」
を開催した。テストケースとして、国内でもとりわけ景気と知事の人柄の悪い大阪府のマクドナルド店頭で開かれたこの催しには元派遣社員ら1000人が集まり、巨大なクォーターパウンダーで久しぶりの満腹感を味わった。
また、行列に並んでいるあいだは勤務時間とみなされ、時給1000円(仲介のフルキャストに支払われるデータ装備費は別途)が支払われるという配慮も。
「どんなに貧しい境遇に陥っても、労働はかならずあなたに報いる─というメッセージを伝えたかった」
と、同社の原田泳幸社長は語る。
映像ドキュメンタリー作家のモーガン・スパーロックさんは、
「すばらしい施策だ。クォーターパウンダーを食べたハケンはメタボになる。メタボの患者が増えれば、医者にかかる者が増え内需拡大にもつながり景気を刺激するというところまで考えているのだろう。まさに深慮遠謀だ」
と感激したようすで賞賛していた。