「里を荒らすがどこか憎めない」人柄で知られる鬼の青鬼さん(無職)が14日亡くなった。突然の報せに友人の赤鬼さんは悲嘆にくれている。死因は調査中だが、状況からみて
「笑いすぎ」
に間違いなさそうだという。警視庁では、師走の報道にも原因があるとみてメディア各社を業務上過失致死の疑いで慎重に捜査している。
亡くなったのは、気のよさと友人思いで知られる青鬼さん。ともだちの赤鬼さん(喫茶店経営)宅での突然の死だった。死のその場に立ち会った赤鬼さんの証言によると
「テレビの経済番組を見ていたら、エコノミストが来年の市況予測をしていて…」
気がついたときには青鬼さんは笑いすぎによる呼吸困難で倒れていた。急いで救急車を呼んだものの、搬送中に死亡が確認されたという。
青鬼さんは、かつて荒らした村の人々にホントは悪くないのにフルボッコにされるなど、壮絶な差別といじめに遭った経験の持ち主。長く人里離れた山奥で療養していたが、最近になってようやく傷が癒え、赤鬼さん宅で社会復帰の準備をしていたところだったという。識者は
「テレビの“来年の話”を聞いていて大笑いしすぎてしまったのだろう。普通の鬼ならこの程度は免疫があるのだが、長く社会から隔絶されていたせいでエコノミストの与太のひどさに耐えられなかったのでは」
とみる。
いっぽうで、青鬼さん以外にも「テレビの経済番組で来年の予測話を見ていたら笑いすぎで死ぬ寸前までいった」という事例が相次いで報告されている。警視庁では「ここまで連続発生するのは異常。メディアの報道に何か問題があるのではないか」と異例の捜査に乗り出した。それとも、エコノミストらの想像をまったく超越した、もう笑うしかない事態が来年起きるということなのか…。いずれにせよ、無責任な未来予想図を垂れ流すマスメディアの姿勢が、改めて問われることになりそうだ。