中部電力が、静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所1号機・2号機の廃炉を検討していることが13日までに判明。各方面に大きな衝撃を与えている。1970年代の運転開始以来、あわせて140万キロワットの電力供給と関係者への巨額の補助金供与で人々に
「おじいちゃん原発」
として親しまれてきたが、時代の流れと耐震強度不足などが原因でやむなく取り壊しが決まった。これに対し、地元を中心に「今までありがとう」の気持ちを込め、とある歌がブームになっているという。
静かな流行を見せているのは
「おおきな古原発」
という歌だ。30年以上にわたってなんやかやと公然と書けないようなこともありつつ、人々が親しんできた原発への気持ちを手に取るように描いた内容が評判を呼んでいる。弊紙では、地元のうたごえ喫茶で独自にその歌詞を採録することに成功した。以下に転載する。
♪おおきな危ない古原発
おじいさんの原発
30年 なんとか動いてた
漏らしたりもしてた
読売社主の松太郎が
買ってきた原発さ
いまは もう役立たず その原発
1600万年 チクタクチクタク
半減期を過ぎても チクタクチクタク
いまは もう残るのは廃棄物だけ
地元静岡の人々の原発への愛情がそこはかとなく伝わってくるおごそかな歌詞である。日本国内には商用原発が55基あるが、そのうち17基は築30年以上と高齢化が進んでいる。日本の高度成長を支え、大きな負債を遺して逝く愛すべき「古原発」たち。そんな原発が増えるにつれ、この歌の流行も全国に広がっていくのかもしれない。