日本漢字能力検定協会(京都市)は12日、2008年の世相を象徴する「今年の漢字」を
「鵺」
と発表した。麻生太郎総理は、この件について総理官邸で「確かにカラスのような不吉さを感じる暗いニュースが多い年だった」などと記者団にコメントした。
今年の漢字は、京都・清水寺の会場で皆が見守るなか、同寺の森清範貫主が大きな和紙に一気に書き上げるかたちで発表された。首相の突然の交代劇や、米リーマン・ブラザーズの破綻による国際金融危機など、不透明でまったくつかみどころのない先行きが、世が乱れるときに現れる伝説の妖怪・鵺に似ていることから、この一字が選ばれたという。
きょう午後記者会見した麻生総理は
「カラスかあ。さもありなんだな。確かにカラスのような不吉さを感じる暗いニュースが多い年だった。来年はハトを思わせる明るい年にしたいな」
などと、タカ派の顔をゆがませて苦笑いしながら早くも来年の抱負を述べていた。
いっぼう、鵺に詳しい源頼政さんは
「なんだかわからないものをがんばって退治したんですが、そうですか…カラスだったんですか…。もう、首都防衛をやる気がなくなりました」
などと、なぜか気落ちしているようすだった。