景気の悪化もあり、減らない鉄道への飛び込み自殺。いたましい事件であるだけでなく各方面への影響も甚大だ。そんななか鉄道各社が注目しているのが
「青い光」
を出す装置。すでに導入した企業では、駅に設置して照射するだけで「それまで毎年起きていた自殺がゼロになった」など効果に手応えを感じている。
この青い光を出す装置を開発したのは、住友金属鉱山子会社の株式会社JCO。見た目はただのステンレスバケツふうだ。ここに燃料のウラン溶液を注入すると、あたりに不思議な青い光が満ちあふれる。作用機序は不明だが、この青い光を見ると自殺願望のある人がまったく自殺できなくなるという。長時間浴びるとうつ病の症状も消えるとか。
京浜急行では今年2月、弘明寺駅にこの装置を設置した。同駅では毎年2、3件の飛び込み自殺が起きていたが、
「今年に入ってから自殺で死ぬ人はひとりも出ていない」
という。また、関連性は不明だが朝夕の乗降客数が減りラッシュがだんだん緩和されているという。JCOでは「人心をおだやかにする効果があるのではないか。みんな、のんびり時差通勤に切り替えたのだろう」とみる。
青い光にはトヨタなどの大手メーカーも注目している。大規模なリストラが予定されている非正規雇用者のメンタルサポートが急務だからだ。トヨタは工場の休止予定ラインに照射装置を設置。すると、多くの派遣が自分から出社しなくなり、大幅な人員縮小が実現した。JCOではこうした成果をもとに、今後は海外展開なども視野に入れているとのことだ。