数々のヒット映画原作を世に送り出し、世界中から惜しまれつつ先日早逝した米小説家マイケル・クライトン氏について、
「クローン再生して再び業界に復帰してもらおう」
との計画が進行しつつあることが、22日までの弊紙調べでわかった。背景にはネタ不足で海外作品リメイクや焼き直しに頼り切っているハリウッドの、お寒い状況もあるようだ。
クライトン氏は、綿密な取材に基づき最新の科学や社会情勢に即した作品をものすことで定評のある人物だったが、先ごろ急逝。ハリウッドの映画業界では「ヒット作の貴重な供給源が失われた」と、なかばパニックとなっていた。そこで新興バイオベンチャーのインジェン社が提案したのが、
「クライトン氏のクローンを作り、また新作を執筆してもらう」
という、今までにないブレイクスルー。
通常、人間のクローン再生には完全なDNAを含む細胞が必要だが、インジェン社ではハリウッド近郊で
「クライトン氏の血を吸ったままコハクに閉じ込められた蚊」
のサンプル確保に成功。これを元に氏の再生に取り組むことができるようになった。すでに複数の映画会社から資金供与を受け、プロジェクトの準備に入っているという。インジェンCEOのジョン・ハモンド氏は「クライトン氏を一人と言わず大量に再生すれば、ヒット作の量産も夢ではない」と自信を伺わせる。
いっぽう、複雑系理論に詳しいイアン・マルコム博士は「クローン再生は複雑な条件がからむ。予測どおり進むとは限らない。できてみたらエド・ウッドだったとか三池崇史だったという可能性もある」と安易なクローニングを批判する。同様の事例では、日本の東映が
「亡くなった石ノ森章太郎氏を改造手術で復活させ、戦隊・ライダーモノの原作を書かせ続ける」
ことで先行しているが、「再生怪人の常で年々ライダーの質が落ちていく」(事情通の八手三郎さん)という問題もある。記者も一ファンとして再生クライトン氏の活躍を祈らずにはいられないが…。