夜中にねぼけまなこでついうっかり…。あるいは酒に酔った勢いでとんでもないメールを送ってしまい、朝になって気付き顔面蒼白に…。そんな経験はないだろうか。検索サービス大手のGoogleは、同社の「GMail」にこういった誤送信をなくす画期的な新機能を追加した。
「Mail Goggles」と名付けられたこの新機能では、深夜帯など正常な判断力を失っていそうなときにメールを送信しようとすると確認画面として
「国語の文章読解問題」
を出してくれる。問題に正解できなければ、酒や自分に酔っている可能性があるとして送信は拒否される。利用者は、これにより自分が正気でメールを送ろうしているかどうか判断できるというわけだ。
編集部で動作をチェックしてみたところ、次のような確認画面が表示された。
以下の文章を読んで、問に答えなさい
朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、
「あ」
と幽かな叫び声をお挙げになった。
「髪の毛?」
スウプに何か、イヤなものでも入っていたのかしら、と思った。
「いいえ」
お母さまは、何事も無かったように、またひらりと一さじ、スウプをお口に流し込み、すましてお顔を横に向け、お勝手の窓の、満開の山桜に視線を送り、そうしてお顔を横に向けたまま、またひらりと一さじ、スウプを小さなお唇のあいだに滑り込ませた。ヒラリ、という形容は、お母さまの場合、決して誇張では無い。婦人雑誌などに出ているお食事のいただき方などとは、てんでまるで、違っていらっしゃる。弟の直治がいつか、お酒を飲みながら、姉の私に向ってこう言った事がある。「爵位があるから、貴族だというわけにはいかないんだぜ。爵位が無くても、天爵というものを持っている立派な貴族のひともあるし、おれたちのように爵位だけは持っていても、貴族どころか、賤民にちかいのもいる」
問:「お母さま」が髪の毛の入っていたスープを何ごともなかったように流し込み続けたのはなぜか。以下から選びなさい
- 髪の毛など入っていなかったから
- 天爵というものを持っている立派な貴族だから
- 時代の流れの中で、自分たち華族もゴミの入ったスープを飲まなくてはいけない身分になったのだとあきらめていたから
- マゾなので髪の毛入りスープを飲みたかった
記者がチェックしたのは昼間だったのだが、なかなか正解を出せずメールの送信ができない状態に陥ってしまった。まだまだ改善の余地のある機能だと感じた。
国語問題に詳しい評論家・清水義範さんのコメント:
4択でわからないときはだいたい2番か3番を選んでおけば間違いがない。