米下院で金融対策法案が否決されたことを受け、さらに混迷の度を深める国際市場。世界的大不況に発展しかねないこの危機的状況を打破するべく、ついにあの国も協力路線への転換を宣言した。その国とは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)だ。
朝鮮中央放送は30日夜のニュース番組で、朝鮮労働党幹部の談話として
「わが国は、国際金融市場安定化のため資金供給をする用意がある」
と報道した。具体的には、各国金融機関が資金を融通する短期金融市場に北朝鮮が保有する米ドルを1日300億ドルまでをめどに供給する。実現すれば日銀がおこなっている1日20兆円の資金供給を超える大規模な市場介入となる。
報道では、朝鮮労働党の金正日総書記が
「グローバル経済の安定は、わが国にとっても他人ごとではない。輪転機が擦り切れるまでドルを刷り続けよ」
と号令をかけたとしている。北朝鮮の外貨準備高はもちろん国家予算をも超えた介入指示に、金書記の本気ぶりが伺える。
報道を好感した米国市場はナスダック各銘柄が軒並みストップ高を記録。リーマン破綻以来の好況を呈した。東証も1日午後の終値が前日比2千円弱の値上がりとなり、投資家らは一様に安堵の表情を浮かべていた。北朝鮮という意外な救い主の登場。国際金融市場の安定だけでなく、世界平和の進展にもつながる朗報と言えそうだ。