フランスのタイヤメーカー・ミシュランが近々発行を予定している「ミシュランガイド京都」で、京都の
「ぶぶ漬け」
に最高ランクの3つ星がおくられることが、18日までにわかった。レストランでなく、特定の料理や食文化にミシュランが星をつけるのははじめて。
ぶぶ漬けは京都独特の食文化でお茶漬けの一種。しかし、食べたいと思っても気軽には食べられず、
- 訪問先で空気を読まずに長居する
- 招かれざる客になる
といった手続きを踏んではじめて「ぶぶ漬けでも喰うていきなはれ」と出されるという、京都最奥義の裏メニューであることで知られている。
ミシュランガイド編集部によると、京都版の編纂にあたって訪れた料亭のほぼすべてで、敷居をまたぐなりいきなりぶぶ漬けを出される熱烈歓迎を受けたとのこと。
「どのぶぶ漬けも非常においしかった。ぶぶ漬けのおいしさはもちろんだが、もてなし好きな京都の人々のこころの温かさは3つ星に相当する」
と、店でないものに星をつける異例の決定に踏み切った。
京都市右京区の日本料理店「京都吉兆嵐山本店」で女将を務める徳岡雪乃さんは、
「うちの店はミシュランはんに載せてもらうなんてもったいのうて。せめてものもてなしにと思うてぶぶ漬け出したんどす。ご本のほう、せいぜい売れるとよろしおすなあ」
と、にこやかに語っていた。