2009年1月の実施まで半年を切った「株券電子化」。いわゆる“タンス株券”が無効になるため関係者は周知に躍起だが、ここにきてもうひとつの落とし穴の存在が発覚。株式市場を根底から揺るがしかねない状況であることがわかった。金融庁などは個人投資家らに注意を呼び掛けている。
その落とし穴とはなにか。実は、
「電子化された株券にはプラスとマイナスがある」
という事実が、個人投資家に周知徹底されていないというのだ。電子化後、こうした知識のない保有者がプラスの株券とマイナスの株券を一緒に保管すると電荷が相殺されて両方とも消えてしまう。全国で株券消失が起きれば証券市場がパニックに陥るのは明らかだ。
電気にプラス・マイナスがあるというのは小学生レベルの常識のはずだが、株券の保有者に比較的高齢者が多いことがあだとなったようだ。このため、金融庁や株券管理を指導する証券保管振替機構(ほふり)は、投資家らに
「赤っぽいのがプラス、青っぽいのがマイナス」
と急遽広報活動を開始。タンスの中にプラス株券とマイナス株券を一緒にしまい込まないよう呼び掛けている。
こうした混乱に対し、識者のあいだからは
「だから株券電子化には反対だった。今からでも遅くない。中性子化や反物質化に切り替えるべきだ」
と、実施延期を求める声があがっている。なお、読者の中でまだ株券電子化がお済みでない方はbogusnews編集部までお送りいただきたい。プラス・マイナスをまぜないよう、専用電池に閉じ込めてしっかり管理いたします。