まんが週刊誌「ビッグコミックスピリッツ」が難民受け入れを拒否しているのは不当─と、まんが家の喜国雅彦さんが国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に不服申し立てをしていたことが、8日までにわかった。まんが雑誌の難民受け入れについてUNHCRを巻き込んだトラブルとなるのはきわめて異例。
喜国さんは先月、「週刊ヤングサンデー」(発行元:小学館)の休刊に伴い、連載中の作品「魔Qケン」の掲載先がなくなる「ヤンサン難民」となった。そこで同じ出版社のビッグコミックスピリッツが人道的配慮に基づき「鉄腕バーディー」「イキガミ」など難民の一部を受け入れたものの、喜国さんらの入国は拒否。暫定的に入国管理局「月刊IKKI」に拘留し、近々国外退去処分とする予定だった。
喜国さんのUNHCRへの訴状によれば、スピリッツの難民認定基準はきわめて不明確とのこと。喜国さんは
「さわやかなスポ根野球まんがである“魔Qケン”が拒否され、意味不明な“ギャラクシー銀座”は受け入れられるというのは合理性を欠き、甚だしく正義と国際法に反する」
と指摘する。また、収容中の月刊IKKIの環境も劣悪で「“ぼくらの”のような鬼畜ヘンタイまんがの巣窟となっている。繊細なぼくにはとても耐えられない」という。
これに対しビッグコミックスピリッツ側は
「新装刊したスピリッツ第1号は付録あわせて1000ページ超。豪華執筆陣をずらり揃えてお買い得。くだらない下ネタばかりのギャグでお茶を濁すような作品はないので、ぜひ書店・コンビニでご購入ください」
との声明を発表している。