水に「ありがとう」など美しいことばをかけると美しい氷に育つ─すでに科学界の常識となったこの事実が、実は人間の子どもに対しては通用しないことが最新の研究によってあきらかになった。それによれば
「汚いことばで罵ったほうが子どもは美しく育つ」
という。先進的な取り組みを見せる大阪府では、すでにこの研究を教育に応用しようとする取り組みがトップダウンで始められている。
驚くべき発見をしたのは、大阪大学サイバーセンターの菊池誠教授らのグループ。菊池教授は、お年ごろの子ども二人を無菌室に十数年閉じ込め、一方の子どもには「ありがとう」「がんばったね」など美しいことばを、もう一方には「くそ」「おまえはうちの子どもじゃない」など汚いことばをかけてそれぞれの育ち方を比較した。すると、後者のほうが「心が美しく、他人にやさしくすることのたいせつさを知るおとなに育った」(教授談)というのだ。
意外な結果について、菊池教授は
「他人を罵りさげすむような人間に幼いころから接していると、
“あんなおとなにはなりたくない…”
と思うようになり、逆に高潔に育つのではないか」
と見ている。教授はこの現象を「リバースティーチャーエフェクト」(RTE)と名づけた。
このRTEにさっそく目をつけたのが地元・大阪府の橋下知事。「府下の子どもたちを心美しく育てたい」と、率先して汚い言葉遣いをはじめた。7日には箕面市の地元FM局で
「くそ、くそ、くそ」
の大合唱。先日府内図書館で敢行した盗撮という人間として最低の行為とあわせ、かなりのRTEを発揮したもようだ。「これからもどんどんやっていく。心斎橋で全裸とか、テレビ放送中に脱糞とか。子どものためならわが身を捨てる覚悟だ」と語る知事の熱い想い。将来、美しい心をもつ人間に育った大阪っ子たちが彼に感謝する日が、きっとくることだろう。