格差社会の進行もここまで来たか! ワーキングプアの急増に伴い、全国で急増している「敷金・礼金ゼロ」の賃貸物件。実はこうした物件が、法の隙間を突いたとんでもない条件で貸し出されていることが19日までに弊紙の取材で明らかになった。基本的人権の侵害にもつながりかねない重大問題であり、政府による早急な対応が待たれる。
被害者のひとり、北沢たかしくん(11)。11年ほど前、当時無職だったこともあり「敷金・礼金ゼロ」の条件に引かれ今の世田谷区桜新町の賃貸マンションに入居してきた。当初、大家はたかしくんを目に入れても痛くないほどかわいがっていたが、最近になって賃貸条件の問題点があらわになりはじめた。
たとえば数週間前。たかしくんは学校の宿題を忘れた。その情報が学校から連絡帳で届くと、大家の態度が豹変した。
「きょうは晩ごはん抜き!」
というのだ。たった2ヶ月、宿題をやらなかっただけで…。また、6月のお小遣帳をつけていないことがバレたときには、今後2ヶ月のお小遣減額を一方的に通告された。
被害者弁護団の宇都宮健児弁護士は「こうした事例は通常の賃貸契約ではまずありえない。契約者の弱みにつけこんだ悪質なものだ」として、関係省庁に対策を求めていく方針だ。前出のケースでは、たかしくんがあまりの悪待遇に耐え切れず逃げ出し空き地の土管のうえにたたずんでいたところ、大家が
「なにやってんの。カレーができたわよ」
と追いかけてきたという悪夢のような事実も報告されている。まさに一度入れば逃げ出せない“現代版タコ部屋”。けっして放置してはならない大きな問題と言えそうだ。