電車マナーの悪い男子高校生(16)を殴ったとして神奈川県警大和署の巡査長(33)が現行犯逮捕された事件で、同県警は7日午後、異例の“再々”記者会見を行った。この事件については先だって「巡査長はマナーの悪さを注意したのではなく酔って因縁をつけただけ」とする再記者会見が開かれたばかりだった。
三回めとなる会見の席上、県警の監査官はその後判明したこととして
「男子高校生は地上世界征服をたくらむ悪の海底人“ノンマルト”だった」
という衝撃の新事実を明らかにした。所持していたおもちゃのライターも、さらに分析を進めた結果、実はノンマルトの超科学兵器で使用するたびに地上の酸素をうばい二酸化炭素に変換するおそるべき悪魔の武器であることがわかった。
くだんの巡査長は偶然ノンマルトに詳しい人物で、高校生の正体を敏感に察知。アルコール代謝能力をもたない敵の弱点を衝くべく酒の臭いで防御体勢を整え、すかさず髪の毛(に見える触角─ノンマルト人の急所)を掴んで引きずり回し、反撃のスキを与えぬよう鉄拳を叩き込んだ。一介の警官に過ぎない身で美しい地上を守り侵略を未然に防いだ報国ぶりは、まさに賞賛に値する自己犠牲精神の発露と言えそうだ。
前回の記者会見後、神奈川県警には「気に入らない若いヤツを集団で叩くことができなくなって残念」「スカッとできれば真実はどうでもよいのではないか」「空気読め」という苦情が昼間から殺到していたという。担当監査官は
「かなり空気を読んだ真実を明らかにできたと思う。必要ならさらに追加の会見を開きたい」
と話している。