独立行政法人「緑資源機構」による官製談合疑惑で、公正取引委員会は2日、独占禁止法違反による告発を視野に入れ関係者への事情聴取をはじめた。すでに、談合に関係したとされる全国の小中学校の図画工作・美術担当教員のもとに捜査員が出向き、聞き取りを行っているという。
この問題では、文部科学省所管の緑資源機構が教師らと談合を繰り返し、
「みどり色絵の具の消費量を増やすため、水彩画授業でなるべく森や木々を写生対象にする」
よう働きかけを行っていた疑いがもたれている。都内では、一面を緑に塗りたくらせるためだけに校外学習先を富士樹海にした教員の例もあるという。公取委は、
「絵の具は“しろ”の減りがいちばん早いのが常識。チューブの大きさもそれを前提に決まっている。みどりの地位を不相応に上げようとしたたくらみは異常」
と悪質さを糾弾している。
疑惑は新学期の学用品準備に忙しい子どもたちにもとまどいを呼んでいる。都内の小学校に通うたかしくん(11さい)は、
「ママに“きんいろ”を10本買ってもらった」
と得意げに見せびらかしていた。