急速に寒さが厳しくなった先週末から、全国で
「物質が縮小する」
という前代未聞の怪現象が起きていることが弊紙の調べでわかった。既存の物理学では説明のつかないできごとに、専門家は「天変地異の前触れではないか」と警告を発している。
都内在住の会社員・Aさん(34)も、この怪現象に遭遇した被害者のひとり。日曜日、あまりの寒さに去年のコートを引っ張り出したところ袖に腕が通らず、いつのまにか縮んでいることがわかった。
「ユニクロでいちばん大きいXXLサイズなので、小さいということはありえない。水洗いもしていないし…。どうして急に縮んだのか。科学的に説明がつかない」
と頭を抱える。
また、行き遅れの女性OL・Bさん(39)も、11日の朝、去年お世話になった冬物スカートを着ようとして、腰回りが異常に縮んでいるのを発見。
「ウェストだけならわかるが、太ももと比べてみたら裾も細く縮んでいるのがわかった。物質全体が縮小するなんて、きみが悪い…」
京都大学宇宙物理学教室の稲垣省五博士は、
「本当に奇怪な現象だ。可能性として考えられるのは、この宇宙に何らかの変化が起きているということ」
と話す。博士は、
「われわれの宇宙は“ビッグバン”以来膨張を続けていたが、広がるいっぽうではエネルギー密度が低下してしまうため“永遠に膨張することはありえない”ということが指摘されてきた。今回の“物質が縮む”という現象は、まさに宇宙の膨張停止および“ビッグクランチ”に向けた収縮が起きていることを示しているのではないか」
とも述べ、早急に別次元かパラレルワールドへの全人類脱出法を模索すべきだ、と警告している。
宇宙全体の消滅…あまりにも絶望的で、われわれ凡人が正気を保つためには現実から目をそらすしか打つ手はなさそうだ。他人の着ている冬服がパツパツでも、見て見ぬふりをするのが人類の一員として望ましい態度ではないだろうか。