帆布をもちいたオリジナルバッグで人気を博してきた京都の老舗に、ネット上で思わぬ試練が降りかかっている。企業名で検索すると、まったく無関係の企業がヒットするという不可解な現象が起きているのだ。同社では「何者かの悪質ないたずらでは」と、原因究明を急いでいる。
トラブルに巻き込まれているのは、京都市東山区で百年の歴史を誇る「一澤帆布工業」。職人気質のこもったものづくりで人気を集めてきた有名店だ。しかし10月5日現在、検索サイト「グーグル」で
を検索すると、同社とはまったく関係ない“謎の企業”が最初にヒットするようになっている。この謎の企業は
- ネット通販もしていないくせにやたら人気がある
- でも、街中で他人がもっているここの製品をみると欲しくてうらやましくなる
など非常に悪質な行為も繰り返しており、一澤帆布側は頭を痛めているという。
このところの同社は災難続きだ。長男で現社長の一澤信太郎氏が昨年「UFJ銀行行員としての業務経験を活かす」べく跡目を継いでから、この4月には
「突然、職人が全員いなくなる」
という奇怪な事件も発生。「京都のマリー・セレスト号」と呼ばれた。新しく職人をかき集めて業務委託先の縫製工場も確保し、16日から営業を再開しようと決めた矢先にまたもこのトラブルだ。
信太郎氏は、
「“長男が家督を継ぐ”日本の伝統を崩そうとする、悪しきジェンダーフリー勢力の陰謀に違いない。慎太郎・兄つながりで、東京都知事に応援を頼みながら事態の打開をはかりたい」
と話している。憎むべきニセモノ企業には、すみやかにネット通販を開始して東国在住の人間でも容易に入手できるようにすることが望まれそうだ。