トヨタ自動車は今春入社した大卒事務系・技術系の新入社員約900人を、材料として自動車生産ラインに投入することを決めた。ハイブリッド車の販売が好調なものの、需要先行きが不透明なことから新規資材購入に踏み切れず、
「大卒社員の苦肉」
を転用するという策で当面を乗り切る方針だ。
生産ラインに投入された大卒社員は、いったんグラインダーにかけて粉々に粉砕されたうえで元素レベルで分別される。ひとりから収集できる原材料は水35リットル、炭素20キログラム、アンモニア4グラム、石灰1.5キログラム、リン800グラム、塩分250グラム、硝石100グラム、硫黄80グラム、フッ素7.5グラム、鉄5グラム、ケイ素3グラムと試算されており、そのまま余すところなく自動車部品に転用される。
トヨタ関係者によれば、この施策によって予定外の資材調達コストを圧縮できるうえダブつき気味の人員も削減できるという
「一石二鳥の作戦」
だ。首切り、内定切りなどをおこなわずに済むため世論の批判を避けることができるとの期待もある。
とはいえ、当の大卒社員の中には
「こんなはずじゃなかった」
「はなしがちがう」
などと駄々をこねるモンスター社員もいるとのことで、計画完遂には悪しき戦後教育に染まった若者の性根をどう叩き直すかが課題となりそうだ。