NHKは、総合テレビで放送中の連続ドラマで
「誤解を招く描写があった」
として、関係者に向けた謝罪文をホームページに掲載した。これまでもあまたの不祥事を起こしてきたNHK。フィクションとはいえ、無責任に誤った情報を垂れ流し世間に混乱を招いたことで、改めてマスメディアの矜持が問われることになりそうだ。
問題になったのは1月から放映中の学園推理ドラマ「Q.E.D. 証明終了」。高校生にしてMIT出身の数学者である主人公が、次々に起こる難事件を解決してゆく…という筋書きだ。しかし、劇中で
「主人公がアイドルみたいにかわいいおてんば娘とちょっとイイ感じになる」
という描写があったことから、現実の数学者から「事実と異なる」とクレームが殺到していた。
匿名希望の数学者は
「“数学をやっているとモテる”という誤った印象を与えかねない。事実は逆で、わたしなど学部時代から女性とまったく会話したことがない」
と憤る。現在進路を決めあぐねている若者には「“数学は美しい”とかぶつぶつ言ってると確実に人生棒に振る」と、慙愧の涙を流しつつ数学を専攻しないよう強く警告していた。
NHKでは「抗議を真摯に受け止めドラマの登場人物設定を変更する」方針。これにより同番組は次週から
「EOF 送信終了」
と改題。三十路にして毎日欠かさずblogを更新する魔法使いの中年が、世の中の大多数の人にとってはどうでもいいネタでネチネチと他人を攻撃し続けるサイコホラーに模様替えする予定だ。