なけなしのボーナスをはたいて買ったノートPC。気付けばスペックもずいぶんと色褪せ、「もうこのまま捨てるしかないか…」と考え込む。PCオーナーなら、誰しもそんな経験をしたことがあるのではないか。今回は、そんなとき
「第二の人生を歩むことに成功したノートPC」
の事例を紹介しよう。
都内港区在住の渡辺バイ男さん。かつてはスタイリッシュなA4ファイルサイズノートとして一世を風靡した彼だが、最近ではめっきりオーナーに触ってもらう機会が少なくなった。バイ男さん自身も、自分が晩年に差し掛かっていることに気付いていた。先日の健康診断でハードディスクにバッドセクタという不治の病が見つかったためである。
P2Pソフトに手を出すなど半ば自暴自棄になっていたバイ男さん。しかしある日、オーナー宅の奥さんが悩んでいるのを見かけて心境が変わった。
「困ったわ。ぬか床にちょうどいい漬物石がないわぁ…」
バイ男さんは、残りの人生を漬物石に賭けてみようと誓った。それ以来、バイ男さんは死に物狂いで漬物石として働いた。寒い日も暑い日も、白菜やキュウリがおいしく漬かるようにと…。
ある朝、家人が起きると漬物の上に腰掛けたまま事切れているバイ男さんを発見した。満足そうな死に顔だった。漬物はこれ以上ないほど見事に漬かっていた。目撃者の話によると、亡くなった夜のバイ男さんはP2Pで手に入れた「ゴンドラの唄」を流しながら、漬物を漬けていたという。
「♪命短し、恋せよ乙女…」
バイ男さんのオーナー一家は漬物に舌鼓を打ちながら「次はMacBook Airを買おうね」と話し合うのであった。