5日は「こどもの日」。全国で男児の健康を祝いつつ、大きな葉にくるまれた柏餅を食べるのがならわしとなっている。だが、その柏餅の“葉”がどのように作られているかは意外に知られていない。この葉を長年作り続けているのが、青森のとある小さな村の職人さんだ。鮮度を要求される商品だけに直前まで忙しく働く、彼の仕事ぶりを取材した。
青森県戸来村。朝7時。柏餅の葉職人の朝は早い。仕事場にやってきたアダムさん(約7600)は、年齢を感じさせない裸身もあらわに仁王立ちになった。そして、かたわらに用意しておいたイチジクの葉をおもむろに股間に押しあて、しばらく目を閉じてなにか唱える。目を開いて葉をはがす…。これで柏餅の葉が完成する。単純な作業だが、全裸を強要されることもあってなかなかの重労働だ。股間が擦り切れてしまうため、日産およそ1,000枚が限界だとか。
故国を追われ難民となったアダムさんは、2千年ほど前に仲間とともにこの戸来村に流れ着いた。5月5日のことだった。村人が空腹な漂流者たちをあわれみ餅を恵んだところ、これをアダムさんが股間のイチジクの葉でくるんで食べた─というのが柏餅の起こりだ。以来、
「5月5日には、アダムの股間の葉でつつんだ餅を食べると彼のように元気なイチモツをもった男の子が育つ」
として、風習が全国に広まった。
「股間にあてているときは食べる人のことをできるだけ想像するようにしている」と語るアダムさん。気持ちのこもった葉に包まれた餅を食べれば、たしかに子どもたちもすくすくと育つことだろう。また、アダムさんは
「男の子のものというイメージのある柏餅ですが、ぼくは女の人にも食べてもらいたいですね。特に女子高生の小さな口でほおばってもらいたい。想像すると…ハァハァ…」
と語り、なぜか目をうるませていた。