教育に関する数々の先進的取り組みで知られる東京都・杉並区が、また新たな施策を発表した。区内中学校でPTAを廃止、かわって“ニュータイプ”を招へいし彼らの協力を得て学校運営を支援するしくみを構築していくというのだ。現地では記念の「ガンダムモニュメント」も公開。新体制の船出を祝っている。
「ぶったね。父さんにも殴られたことないのに…」
教師の体罰に三白眼でにらみつける男子中学生。区内のとある中学校での風景だ。「これまでなら速攻で親に言い付けられていたんですが、今はいじけるだけ。ニュータイプ指導の効果が出ているようです」と苦笑する体罰教師。この学校では昨年末から試験的に、放課後になるとニュータイプが訪れ生徒に訓示をおこなっている。効果はてきめん。先の男子のようにいじけた自立心が養われるほか、ふだんは反抗しながらもイザというときは「ぼくがいちばん上手に因数分解できるんだ!」とアピールする─など積極性が身につく傾向がはっきり出たという。
どうやら子どもたちは親の集まりであるPTAよりも、一年戦争の英雄の話に親近感をおぼえるようだ。杉並区がPTA廃止を決めたのは、ニュータイプを活用したほうが教育効果が上がると判断したためだ。とりわけ生徒のコミュニケーション能力アップには多大な成果があり、
「なよなよした引きこもりの男女が、“そんな大人修正してやる!”と殴りかかってくるほど腹を割って話せるようになった」
とのこと。
区内・上井草駅前では、この一大教育改革を記念したモニュメントとして、モビルスーツ「ガンダム」が建立された。23日開かれた除幕式にはニュータイプに詳しい評論家の富野ヨシユキ氏も参列。
「今の若者はアニメばかり見ていてダメだ。アニメなんか見るな。さもなくば死んでしまえ」
と語り、教育再生の必要性を訴えた。ニュータイプの来るべき宇宙世紀に杉並区は生き残ることができるか。まさに正念場と言えそうだ。