テレビ東京は4月から、人気アニメシリーズ「ポケットモンスター」の新作
「ポケットモンスター
リアルジェネレーション」
の放映を開始する。ゲーム、アニメを通じてポケモンシリーズの重要な要素だった「進化」について、「科学的考証が不足している」との指摘が多いことを受け、描写を見直したのが今作の大きなポイントとなっている。
ポケモンの進化については、
- 1世代内で進化が完了する
- 獲得形質の遺伝をほのめかす表現がある
など科学的に誤った描写が多く、竹内久美子氏ら学者から強い批判を受けていた。人気アニメでこうした非科学的表現が蔓延していることに「世間で疑似科学が流行する原因となっているのではないか」と指摘する向きもあった。
「リアルジェネレーション」では、こうした批判を受けポケモンたちが進化を起こすときのスキームを大幅に修正。進化するには、
- ポケモンが発情期を迎える
- 同種のポケモンと交尾し、たくさんの子世代を生む
- 成長し生き残った子世代が、好適な形質を伝えるかたちで進化する
といった手順が必要となった。また、進化を描写するには短い放映期間内で頻繁な世代交代を繰り返す必要があるため、ポケモンの寿命が2週間程度と短く設定しなおされるほか、ポケモン同士の交尾シーンも多く描かれるようになるという。
かたき役が従来のロケット団から“ポケモンは環境因子で進化する”と主張する「ルイセンコ団」に変わったのも注目すべき点だろう。4月当初のストーリーでは、団員のニコライとイワノビッチがピカチュウを拉致し、より強力なでんきポケモンに進化させるため電撃を流し続けるというショッキングなシーンもあるとか。科学的に正しく、しかもサスペンスフルな新作ポケモン。「子どもたちの理科離れ防止にも寄与したい」と、関係者は期待を寄せている。