中年男性の独特な人生観とグルメ生活を描いてカルト的人気を誇った名作コミック「孤独のグルメ」が復活。各方面で話題を呼んでいる。8日発売の「週刊スパ」(扶桑社)で連載を再開したもので、主人公は時流にあわせてビジネスマンからネットカフェ難民になったという筋書きだ。
「孤独のグルメ」はバブル期の雑誌「月刊パンジャ」に作画・谷口ジロー、原作・久住昌之の黄金コンビで連載を開始。当時の浮ついたグルメブームと一線を画す硬派な内容で一部好事家の注目を集めた。その後のバブル崩壊、パンジャ休刊とともに表舞台からは消えたものの、最近はインターネットを中心に再評価の気運がひろがっていた。
今回はタイトルも
「孤独のグルメ2.0」
と装いを新たに、失われた10年のあいだに事業に失敗し、客に関節技をかけすぎて職を失った主人公の、ネットカフェ難民としての孤独なグルメライフを描く。本作品のウリといえば取り上げられる庶民的な食材と名ゼリフだが、もちろん健在。第一回では、職にあぶれた主人公がネットカフェでベビースターラーメンをお湯でふやかして食べ、
「ベビースターの味って男の子だよな」
と語るシーンが読者の涙を誘う。
「週刊スパ」編集部は今後の展開として
- 大盛りの牛肉を前に主人公が「プリオンがあるのか、うん! そうかそうか、そうなれば話は違う、ここに並んだ大量の牛肉がすべてワナとして立ち上がってくる」とひとりごちる「テラ狂牛丼編」
- 「いかんな、タイミングがズレてる」でキメる「賞味期限偽装編」
などを検討中とのことで、「次号以降も期待してほしい」と話している。