「35歳を過ぎたプログラマーはダメ」
IT業界でなかば常識のように流布されているこの定説は間違っていたことが、人材派遣大手インテリジェンスの調べでわかった。実は「35歳」とは本来は通常の数値ではなく
「16進数」
であり、10進換算で53歳に相当するという。自分の年齢に悩む業界人には朗報となりそうだ。
“35歳定年説”については、国内でコンピュータ産業が成立して以降まことしやかにささやかれてきた。しかし、その後の業界の成熟に伴い技術者が高年齢化するにつれ、
「35歳過ぎてるからあいつは使えない」
「頭がかたい」
「クチがくさい」
などさまざまな差別の元となるケースが増え、苦しむ被害者のあいだからは「ほんとうに35歳が定年なのか」と疑問の声が相次いでいた。
そこで今回、インテリジェンスは残存する資料から35歳定年説の発祥を調査。その結果、この定説が昭和50年代、大手電機メーカー電算部門のスタッフを診断した嘱託医の報告書からきていることをつきとめた。この報告書は、激務を理由に電算機関連の業務に携わる社員の定年を繰り下げることを提案するもの。しかし、年齢については原本を精査したところ
「35H歳」
と16進表記で書かれていたという。
インテリジェンスでは
「当時はメモリが高価だった。原本にあった“35H”が、複写を繰り替えすうち1バイトを節約しようと“35”と省略され、やがて10進数と誤解されるようになってしまったのだろう」
とみる。技術畑には生涯現役で働きたいという人が多いため、こうした向きには心強い新事実が判明したと言える。イ社広報部は「弊社も53歳までバリバリ派遣で働く奴隷プログラマーを熱烈募集する」とコメントしている。