会期内の成立が絶望視されている自衛隊インド洋給油活動に関する特措法案。このままでは給油再開が遅れ、米国様のご機嫌を損ねてしまうことにもなりかねない。そこで急遽、新たな妙案が浮上した。インド洋に自衛隊を送らず、
「セルフスタンド方式」
で給油活動を行う─というもの。
ヒントになったのは、このところの原油価格高騰でにわかに利用者が増えている民間のセルフ型ガソリンスタンドだ。石油企業から空いているオイルタンカーをレンタルし、無人でインド洋に送り込む。燃料補給を希望する米軍艦船は自由に横付けし、セルフサービスで給油を行うというしくみ。
従来の自衛隊員常駐型ガソリンスタンドは、米軍が来店するたびに
「いらっしゃいませー。灰皿のほうお取り替えしまーす」
「艦橋の窓ガラス、お拭きしまーす」
などといったきめ細かいサービスをウリにしていたが、一部にはこれを「かえってウザい」と敬遠する向きもあった。セルフ化が実現すればサービスがシンプルになるだけでなく、隊員をひとりも送らずに済むのでコストダウンをはかれる。記録を残す必要がないため、特措法対象外の艦船に給油しても野党につっこまれないというメリットまである。
現行法案に反対する民主党の小沢一郎代表も、「これなら憲法に違反しない」と納得しているとのこと。いっぽう、一部では
「セルフにすると、ガソリンと軽油を間違えて給油したあげくクレームをつけてくる軍人が出るのではないか…」
と心配する声が。しかし、この点についても“本家・自己責任国家”の米国様がお客さまだけに、気に病む必要はないと見る向きが多い。中断していた給油活動だがうまくいけば月内にも再開される見通しだ。