<産経新聞特約記事>
歪んだ戦後体制は、日本人の精神をどんどん蝕み続けている。その腐敗はとどまるところをしらない。最近では日本の言論を先導するはずの出版界にまで浸食が進んでいる…。
都内IT企業に通うAさん(35)は、電車で会社に向かっていたある日、キオスクの店頭を見て驚いた。
「きょうは日曜日だったのか!」
そこには、英語で「日曜日」と書かれた雑誌が陳列されていたのだ。Aさんはあわてて自宅に帰ってエロゲーにふけっていたが、会社からの電話で実際には水曜日であることを知った。
「ひどい話です…曜日を詐称するなんて…。出版業界はもう信用できないと思った」
記者はこの雑誌の編集部に電話取材を申し込んだが「新田たつお先生への応援は手紙でのみ受け付けております」と意味不明の門前払いを食らった。みずからの過ちを認めようとせず開き直るさまは、まさに“モンスターマガジン”である。
同様の例は、最近枚挙にいとまがない。たとえば、
「たかだかB5変型判であるにもかかわらず“ビッグ”を自称する」
「最近、部数が鳴かず飛ばずなのに“ジャンプ”」
「二束三文の精神論や統一協会の広告しか載っていないのに“産業経済新聞”をうたう」
などといったものだ。もう、この国の出版業界に良識は残されていないのか…。溶けゆく出版界を憂う記者の唯一の心の拠り所が、「ヤングアニマル」だ。この雑誌のグラビアをながめているときだけは、久しく元気のなかった息子が野獣に変貌する…。日本の将来は同誌の双肩にかかっていると言っても過言ではあるまい。
(この記事は産経新聞「溶けゆく日本人」を契約に基づき転載しています)