「うちの娘を奪い、
遠くへ連れ去るのはやめて」
老翁が、宇宙航空開発研究機構(JAXA)らを相手に、悲痛な訴えを繰り返している。同機構や下請の三菱重工業が、海外の特定勢力とむすび愛娘を拉致しよう─と巨大な陰謀を計画しているというのだ。八方手を尽くしたものの食い止めるすべがないことから、今回メディアを介して世論に訴えることを決めた。果たして、一介の老人の涙が国際的な陰謀を食い止めることはできるのか…。
2日、都内で記者会見を開いたのは奈良県在住の男性・竹取翁さん(78)。竹取さんには絶世の美女・かぐやさん(3ヶ月)という娘がいるが、このところ夜空を見上げてはさめざめと泣くようになった。いぶかしんだ竹取さんがかぐやさんを問い詰めたところ、
「わたくしは実は月の世界から来た者です。8月15日の満月の晩には、JAXAのH-2Aロケットで打ち上げられて月に帰らねばなりません」
と衝撃の事実をうちあけた。驚いて確認をとったところ、たしかにJAXAが8月15日にかぐやさんを拉致して打ち上げ、月周回軌道に送り込む暴虐非道な計画を立てていることがわかった。ロケットも三菱重工業がすでに完成させており、打ち上げは秒読み段階だという。
竹取さんは「娘とは実は血がつながっていないが、幼少のみぎりに竹やぶで拾ってから目に入れても痛くないほどかわいがってきた。自発的にわたしのもとを離れようなどと思うことはありえない。JAXAらが月の独裁国家と共謀し、かぐやをマインドコントロールして拉致しようとしているに違いない」と話す。いっぽうで、名指しされたJAXA・三菱は計画の存在自体は認めながらも
「(また打ち上げに失敗すると)あとがない。どうしてもかぐやを月に送り込む」
と強硬な姿勢を崩していない。これに対し竹取さんは席上「もはや実力行使しかない」と、貴族や天皇らにかぐやさんを守るための軍勢派遣を呼びかけた。
今回の会見について、拉致問題が大好きな総理右大臣安倍御主人は、
「参院選も近いので拉致は許さない。ぜったい。ところでかぐやさん。あなたが結婚の条件に出していた、
“MD鼠の裘”
やっと手に入れましたよ。大陸間弾道ミサイルが飛んできてもぜったい燃えない珍しい品で、異国に血税を何千億も払って買ったのです。さあ、結婚してください」
との見解を表明している。