天皇を政治利用しようという嘆かわしい一派の動きが活発化するなか、臣民主導で
「天皇の平和利用を検討し、推進する懇談会」
が結成されることになった。極左勢力の扇動を防止し、蒙昧な民衆を善導する役割を果たすものとして注目を集めている。
「天皇力委員会」として週明けにも正式に結成される予定のこの任意団体の呼びかけ人は、財界の巨人・正力松太郎氏。同氏は、戦争犯罪・国家主義など負の部分ばかり指摘されがちな天皇について、早くから平和利用の可能性に注目。特に、今後景気回復で需要の増大が見込まれる電力に関係して、
「天皇力発電」
の国家レベルでの推進を提言している。
天皇力発電は天皇を燃料として発電を行う新世代の発電システム。
- 日本独自の資源を用いることで海外のエネルギー市場に依存しない
- 担ぎ上げたおみこしに勝手なことを喋れないよう口封じができる
などのメリットがあるとされる。正力氏は、
「わが国大衆の天皇に対する過剰なまでのアレルギーは、無知蒙昧のそしりを免れえない。天皇力発電という平和利用の推進によって、日本を“ふつうの国”に戻したい」
と話す。
天皇に詳しい東京大学教授・美濃部達吉氏も、
「まさに天皇機関説を地でいくもの。理想の皇国を実現するすばらしいアイデア」
と手放しで賞賛する。資源エネルギー庁の関係者は「燃料の継続的供給に問題が出る可能性はあるが、前向きに検討したい」と話している。