JAXA(宇宙航空研究開発機構)は8日、宇宙空間との貨物の往還を定常的かつ低コストで可能にする「軌道エレベータ」(宇宙エレベータ)を実現する計画を発表した。来年度中にも建造を完成し、実運用にこぎつける予定。実用的な軌道エレベータ建造計画は世界でもはじめて。
軌道エレベータは、地上と大気圏外の軌道とを直接むすぶ巨大なエレベータ。ロケットやシャトルなどと異なり資源を浪費せずに済むことから、次世代の宇宙往還技術として期待されてきた。しかし、巨大なエレベータをいかにして建設するかというノウハウのほか、長大なシャフトを駈けのぼる動力などが技術的に大きな課題となっていた。
JAXAは、エレベータ事業大手のシンドラー社(本社:スイス)と提携することで、この課題をクリア。
「重力に逆らい最上階に激突するまで上昇が可能なシンドラーエレベータの高い技術力を応用」(JAXA担当者談)
し、シャフトも特別な動力もなしに乗員を“天まで送り届ける”ことを可能にした。
実験段階での結果も良好だ。すでに記念すべき初回運転に向けて、“軌道エレベータで初めて天に向かう人類代表”を「シンドラーのリスト」として選定中。いまのところ小泉純一郎首相・細木数子氏らの名が挙がっているが、JAXAでは
「男子高校生の代わりに天に召されるべき人をぜひ選んでほしい」
と広く推薦を呼びかけている。推薦したい方はJAXA担当・電話03-3604-2000まで。