米Amazonの「Kindle」やアップルの「iPad」など電子書籍プラットフォームの急速な成長が注目されているが、シャープ(本社:大阪)は27日、新たな電子書籍端末と配信サービスの展開を発表。「ガラパゴス」と揶揄されがちな日本から、国際市場に打って出ることも見据えた統合ソリューションを提供していく方針を明らかにした。
新たな電子書籍端末およびプラットフォームの名称は「TOCHIGI(トチギ)」。シャープ電子書籍事業推進室の富田林十三室長は
「書籍文化に縁遠い栃木県民に親しんでもらえるようなサービスを目指す」
と、一見自虐的とも言える命名の理由を語る。
トチギは「文化のガラパゴス」とも揶揄され、読書人口や書店総床面積は関東でもちろん最下位、全国でも産業革命後の文化水準にある県の中ではほぼビリに等しい。
「県庁所在地の目抜き通りにシャレた大書店を誘致したらすぐつぶれた」
「オリオン通りをチャリで爆走する高校生に本をあげたら、食べ物と勘違いしてキレた」
との逸話もある。
TOCHIGIでは、基本OSにAndroidを採用しつつ、壁紙に「餃子の女神像」を配するなど栃木県民にアピールするカスタマイズが施されている。富田林室長は「もっとも難しい市場である栃木で成功すれば、Amazonやアップルとの互角の戦いも夢ではない」と、TOCHIGI制覇への意気込みを語っていた。