東京都は25日記者会見を開き、都内上野恩賜公園構内で耐震強度に問題のある建築物が多数発見されたことを明らかにした。その数はおよそ400戸以上にのぼり、震度3程度の地震で崩壊するおそれのあるものもあったという。都では住民に注意を促すとともに早急に対策を講じる構えだ。
問題の物件に住むひとり、Aさん(60)。弊紙のインタビューに「信じられない。明日からどう生活していけばよいのか」と不安を隠せないようすだ。2年前に青森県から上京して以来ここに住んでいるが
地震に弱い物件だとは考えたこともなかった。不忍池の眺めがよく、仕事上の立地もすばらしくて気に入っていたのに
と語る。
現在問題になっている強度偽造マンションと同様、姉歯建築士やヒューザーなどがこれらの物件建築に関わっているかどうかはまだ明らかになっていない。しかし、Aさんは近隣のスーパーや家電店などから大きな段ボール、青ビニールシートなどをもらいうけ、自宅を建設したことがわかっている。他の住居の多くがこのケースに当てはまり、耐震強度不足の原因はこれら建築資材に問題があるとも考えられる。
東京都の石原都知事は同日、被害者に優先的に都営住宅などを提供する意向を明らかにした。決定発表の席上、同知事は「人命に関わる問題なのですばやい対応が必要だと感じた。それはそれとして戦争してえ」と記者団に語っていた。