東京高裁は23日、マイクロソフト社のワープロソフト「Word」が特許を侵害しているとして同社に対し同ソフトの販売差し止めと賠償金の支払いを命じる判決を下した。Wordに関する同様の判決は、先ごろ米連邦高裁で下されたものに続き2例めとなる。マイクロソフトは苦しい立場を迫られることになりそうだ。
Wordを訴えていたのは、万能オフィスソフトの
「Excel」
だ。Excelは表を描くほかに書類や手紙を描く多彩な文書作成機能を備えているが、Wordがその一部を無断で模倣し特許を侵害しているとして、販売差し止めと900億円の損害賠償を求めていた。
Word側は「Wordこそが本来のワープロソフトであり模倣ではない」と主張していたが、同裁判所は
「Wordをワープロとして使っているところなど見たことがない」
「方眼紙としても使えるExcelのほうが文書作成ツールと呼ぶにふさわしい」
などとして、原告側の主張を全面的に認めた。
Excel側弁護団は「文書作成はExcelだという正当性が認められうれしい」と、判決後の会見で語った。今後は、さらに
- データベース機能特許を侵害している「Access」
- プレゼン資料作成機能を侵害している「PowerPoint」
などにも同様の訴えを起こしていく方針だという。