大手家電メーカーの三洋電機は18日、今年度最終赤字が2千億円を超える見通しとなったのを受け、野中ともよ会長以下全社員に大幅なカットを断行させることを決めた。すでに創業一族出身の井植敏前会長が取締役を退く意向を示していたなか、さらに文字通り「身を切る」ことで再建への糸口をさぐる構えだ。
具体的なカット計画としては、役員以上30名の頭髪をほぼ丸刈りに等しい五厘刈りとする。課長級以上は一分刈り。一般社員に対しては来年一月まではテクノカット、以降は五分刈りとする方向で労使間交渉に入っている。
同社はカットの結果大量に産出される人毛を販売し、赤字補填にあてる考えだ。また「ともだちにハゲと言われそうではずかしい」という社員向けに、新設する子会社「三洋ウィッグ」でのカツラ購入特別プランを用意する。
野中ともよ会長は、大阪本社で開かれた会見にきれいに剃髪したスキンヘッドで登場。瀬戸内寂聴似の笑顔で
業績低迷の、まさにケってい的解決策。わが社のこれからに「ケたい」してほしい
と説明し、ひんやりとした空気を会場に呼び起こしていた。