東アフリカ・ソマリア沖の海賊対策での派遣に備え、海上自衛隊は23日、都内で演習をおこなった。海上警備行動では初めてとなる長期の海外派遣、しかも海賊相手とあって、演習の舞台には国内唯一の“海賊の出る場所”である
「東京ディズニーシー」
が選ばれた。隊員たちは実戦さながら、みな真剣な面持ちで演習に参加していた。
この日、開園1時間前から並んだ隊員らはゲートが開くと同時に一般市民らを押しのけて突入。「タワー・オブ・テラー」「海底2万マイル」など人気アトラクションを次々と制圧。日ごろの訓練の成果を見せた。強力な行列鎮圧用兵器の「ファストパス」を装備した隊員らもおり、「おれとおまえ、どっちが先に百アトラクションを斬れるか勝負ぢゃ」などと勇猛果敢さをアピールするヒトコマも。
また、「ホライズンベイ・レストラン」では「アリエルの活き作り」などに舌鼓を打ち、人気の「シーソルトアイス」もきっちり制覇。戦闘力だけでなくスイーツの情報収集能力にも長けた自衛隊の優秀さを、まざまざと見せつけていた。
いっぽうで、かんじんの対海賊訓練については、キャストから
「“カリブの海賊”はシーではなくランドのほうになりますー」
との説明を受け、一同がっかり。しかし、解散時には「また来たとき行こうよ」「シーとランドじゃ一日で回りきれないね」「今度は泊まりにしよう」などと語り合いながら笑う余裕が見られた。日本の国防、そしてソマリア出兵をまかせるに足る若者たちのすがたを、あらためて感じさせられた一日だった。