東京大学の磯布研究室は25日、
「手の届かないところに実ったぶどうをすっぱくする」
という画期的な機械の開発に成功したことを明らかにした。従来、ぶどうの実に手が届かないときは「あのぶどうはすっぱい」と自己防衛機制をはたらかせるしかなかったが、今回の機械が実用化されればそんな必要はなくなり誰もが平穏な気持ちで暮らせるようになる。
開発したのは、東京大学・磯布研究室の磯布キツネ教授。磯布教授は2,400年ほど前、高い枝に実ったぶどうをあきらめたところを通りかかった奴隷にたまたま目撃され、「ヘタレの代名詞」と話を広められるという屈辱的な経験をした。以来、一念発起して汚名を晴らすべく研究を続けてきたという。長年の努力が実り今回ようやく完成したのが
「ぶどう酸化光線銃」
だ。これを照射されたぶどうは特殊な波長の紫外線のはたらきで果実内のビタミンC濃度が急激に上昇。すっぱくて食べられなくなる。
発表の記者会見では、実際にデラウェアや巨峰をすっぱくする実演がおこなわれた。磯布教授が光線の照射をおこなったあと、ぶどうを実際に試食した記者らは口をすぼめて「すっぱい」「すっぱい」と感想を漏らしていた。磯布教授は満足げなようすで、
「これからは外を出歩くとき、かならずコレを持って行く。もう“あいつはぶどうに手が届かないからあきらめるヘタレ”などとバカにされなくてすむ」
と、これまた口をすっぱくして語っていた。
なお、同研究所ではぶどう以外にも、
- 高嶺の花の美人の性格を悪くするクスリ
- 性行為を気持ち悪くするゼリー
- 吸引すると気持ちが空虚になる紙幣塗布用ガススプレー
- 内閣支持率調査の手法に欠陥を見つける数式
などを開発中。完成すれば、あらゆる人々が非生産的な自己防衛機制から解放され、楽しいビューティフルライフをおくることができるようになりそうだ。