政府は28日、原油価格高騰対策の一環として「油すまし」への支援策を発表した。油すましがすます油について、価格上昇分を国が直接補填することが柱。油すまし側からは歓迎する声があがっているが、他業界から「油すましだけを優遇している」との批判を呼びそうだ。
油すましについては、最近の急激な原油高で
「すます油を買えない」
と苦境に立たされるすましが続出。先日は政府に支援を求める全国規模のストライキが起きるなど、社会問題化していた。今回の決定で、政府は油すましの購入する原油代の値上げ分のおよそ9割を補填することになる。
29日の記者会見で、町村信孝官房長官は
「妖怪は日本の貴重な財産。基盤をしっかりするために必要な支援をきちっとおこない、きめ細かい対応をしていきたい」
と述べた。全国油すまし組合(本部:長崎県天草市)の油すまし組合長は、支援策について「苦境を理解してもらえてうれしい。がんばって油をすましていきたい」と歓迎している。
いっぽう、他の妖怪からは「不況で苦しいのはみな同じ。なぜ油すましだけが優遇されるのか」と疑問を呈する向きもある。なかでも舌鋒鋭いのが小豆洗いだ。
「このところの穀物価格高騰で、小豆を洗えば洗うほど赤字になる状況。妖怪としてはこっちのほうがメジャーなのに、なぜ支援してくれないのか」
と憤る。弊紙記者は国民の疑問に答えるべく、首相のぬらりひょんに突撃取材を敢行したが「フフン」と鼻を鳴らすだけでコメントは得られなかった。