大福やまんじゅうなどに使われる食材の牛皮(ぎゅうひ)について、生産過程で不必要に動物を虐待している疑いがあるとして、一部団体が製菓業界に改善を求めている。展開次第によっては、牛皮と切っても切れない関係の和菓子製造に大きな影響が出ることもありそうだ。
11日付で業界団体の日本和菓子製造業協会に公開質問状を提出したのは、全日本牛権保護組合(本部:札幌)。
「牛皮を得るために、生きたまま牛の皮をはいでいる。無用な苦痛を牛に与えるやりかたで、非人道的ではないか」
というのが質問の骨子。
組合長の花子さん(5)は「証拠もある。多くの同志が牛皮生産のために繰り返し生皮を剥がれ、地獄のような苦しみを味わされてきた。消費者が極上の美味を味わう陰で…」と憤る。採集される際の痛みに耐え兼ねて死亡する牛も多いが、死体は人里離れた農地などに放置され「宇宙人のしわざ」などとごまかされているという。
花子さんらは「採集時に麻酔を使用するなど人道的な生産体制を確立するか、牛皮自体の使用を社会全体でやめるべき」と訴える。いっぽう、和菓子製造業協会側では「なんのことを言っているのかまったくわからない。事実無根だ」としている。今後は消費者側にも、雪見大福を食べる際に牛さんたちの痛みに想いをはせるなどの対応が必要となりそうだ。