第九管区海上保安本部は30日、千葉県沖漁船・護衛艦衝突事件に関連して、主犯格の海上自衛隊一等海佐の勤務先を家宅捜索。資料としてイージス艦一隻を押収した。同本部は容疑者らがイージス艦の影響を受けて犯行に及んだと見ており、さらにくわしく分析して動機の解明をめざす。
神奈川県横須賀市の軍港。30日朝、スーツ姿の海保捜査員らが一斉に立ち入り捜査を開始した。用意した段ボール箱で昼すぎまでに押収したのは、容疑者が日常的に親しんでいたと見られるイージス艦だ。この艦は全面を不気味なグレーの一色に塗りたくり、中央に異様なフェイズドアレイ・レーダーを4枚も装備。甲板はひしめきあうレーダーのせいで足の踏み場もないほど。容疑者の異常な性癖をうかがわせる。
イージス艦と犯罪に関しては、かねてから因果関係が指摘されていた。イージス艦好きの男が中国人女性をカネで買ったり、情報を外国に売り飛ばしたり、勤務先に勝手にストーブを持ち込んで放火したり…と悪評に事欠かない。今回の事件の直後にも、イージス艦マニアの米兵がタクシー運転手を刺殺するという陰惨なケースが報告されている。捜査本部は
「容疑者が異常行動に走った背景にイージス艦の影響があるのは明らか」
と立証に自信を見せる。今後の捜査の進展に期待がかかる。
識者によれば、イージス艦の影響で凶悪犯罪が引き起こされる事例は世界に広がっているという。評論家の大谷昭宏さんは、
「世界一のイージス艦保有数を誇るある国は、国際紛争の6割以上に関与しているとの調査報告がある。イージス艦がなんらかのかたちで犯罪を誘発しているのは、もはや疑いようのない事実。早急に“イージス艦萌え族”を規制すべきだ」
と語る。文部科学省も、急ぎ「イージス艦の単純所持を含めた規制」を検討中とのことだ。