元時津風親方らが弟子の傷害致死容疑で逮捕された一件は、角界のみならず社会全体に強いショックを与えている。しかし、それはあくまでも氷山の一角に過ぎなかった。新たに、
「私も“けいこ”と称してひどい暴行を受けていた」
と告白する力士が現れたのだ。相撲界の腐敗はいったいどこまで進んでいるのか…。
弊紙編集部に勇気を出して衝撃の告白をしてくれたのは、元・力士の熊乃山関。彼は中学を卒業後、親の意向もあって静岡県の坂田部屋に入門。そこで待っていたのは親方による猛烈なシゴキだった。
「ハダカで山の中に連れ出され、馬乗りされた。ハイシドウドウ、ハイドウドウと尻を叩かれ、これ以上ない屈辱を受けました…」
と涙ながらに虐待の記憶を語る熊乃山。
シゴキはそれにとどまらなかった。なんと、親方はおそろしい凶器を持ち出してふりまわすことさえあったという。
「巨大なおのをかついで、襲いかかってくるんです。殺す気か! と思いましたね。いま思い出してもふるえがとまりません…」
国技をになう親方が、刃物で人を脅すとは…。にわかには信じがたい証言だ。その後、熊乃山はほうほうのていで部屋を脱走。しかし今でも心の傷は癒えず、ストレスからはちみつをなめすぎて糖尿になってしまったという。
坂田部屋の金時親方については、従来から「全裸に布一枚で出歩いている」「髪型がヘン」などの噂が絶えなかった。とはいえ時津風の例もあるだけに、親方個人の問題でなく相撲界全体の問題ととらえて真摯に考えるべきではないか。文部科学省の松浪健四郎副大臣が提案しているように「日本相撲協会に文科省の天下りポストを設置する」など、抜本的な対策を検討する時期にきているのは間違いない。