<評論家・北沢たかしくん(11さい)>
新興国の台頭、サブプライム問題…ますます混迷の度を深める世界経済。こうした厳しい情勢は“富める者”たちの方便として長く使われてきた。だが、彼らがふところにたくわえた内部留保は、もはや看過できない規模にまでふくらみつつある。2008年こそ、こうした不正な蓄財を放出させ、正当な所得再分配が行われるよう不退転の決意でベースアップ交渉に臨むべきときである。
昨年一年間で103万円…。おかあさんが家族に分配せず、不正に溜め込んでいる内部留保の総額である。われわれノンワーキングプア(=子ども)は、毎日ジュースと肉まんだけの生活を強制され、DSソフトは半年に一本という貧しい娯楽に甘んじているのに…。いっぽうでおかあさんは、103万という巨額のへそくりを自由に使い、「PTAの会合」と称しては近所のファミレスやカラオケボックスで享楽にふけり、役に立たないダイエット食品を通販で買い込むていたらくだ。
こうした内部留保の問題を批判されるたび、おかあさんは家族に対し
「今は何が起こるかわからない時代だから、パート代はわたしが貯金している」
「文句があるならもっと稼いできなさいよ」
「子どものおこづかいは少ないほうがいい」
と巧妙な言い訳を繰り返してきた。だが、それは正しいのだろうか。小学校高学年ともなれば、将来のキャリアパス形成のためにさまざまな投資が必要な時期である。
たとえば将来的に大きなリターンの望める「ゲームクリエイター」になるためには、Xbox 360とアイマスのセットやPS3などに幼いころから親しんでおく必要がある。まんが家のような高額所得者になるなら「ネギま!」全巻セットなどを購入して徹底研究しておくべきだろう。だが、おこづかいとして正当な所得再分配が行われなければ、子どもがこうした投資を積極的に展開することは不可能だ。子どもへの投資は、成長した際にはお給料として何倍にもなって家計に戻ってくるものなのに…。つまり、おかあさんによる利益の内部留保は将来的には家族の経済成長率を低迷させかねない愚策なのである。
われわれノンワーキングプアは、おかあさんの考え方を改めさせる第一歩として、まず新春の
「お年玉ベースアップ」
に断固とした姿勢で臨んでいくべきだと考える。最低でも額面で4万円。新年最初の登校日に友だちに「オレ、PS3買ったんだ」と自慢するためにも、このラインはけっして譲れない。万国の小学生よ! 団結せよ!