福田康夫首相は14日、産科の医師不足が蔓延し社会問題化していることを受け、緊急の対応策を明らかにした。「産科医ゲノム計画」と名付けられたこの施策では、
「産科医をつくる遺伝子」
を突き止め、お産にたずさわる医師の効率的増産を目指す。
産科医ゲノム計画では、まずフェイズ1として国立遺伝子研究所を中心とした学術機関がヒトゲノムから産科医遺伝子を同定。フェイズ2で、これを組み込んだ遺伝子を協力者の女性に人工受精させ、遺伝子組み換えベビーを出産させる。こうした子どもたちは遺伝子の影響で産科医を志望する可能性がきわめて高い。順調にいけば産科医不足を一挙に解消できるというわけだ。
首相は、記者会見で
「すでに育ったおとなをムリに産科医にしようとしても焼け石に水ですよ。わがままだから言うことを聞かない。産科医に適した遺伝子をもつ子どもを大増産すれば、川上の供給量を増やしてジャブジャブにできる」
と、同計画の意義を力強く訴えた。「少子化問題も同時に解決できる」と一石二鳥の期待を伺わせるヒトコマも。
産科医ゲノム計画では、今後3年間でおよそ10万人の「産科医候補ベビー」出産をめざす。全国のお母さんたちが安心して出産できる日が、ようやく近づいてきたようだ。