世界を熱狂させたあのファンタジー超大作完結編に、ついに日本語版登場! 言わずと知れた「ハリー・ポッター」シリーズの最終巻、
「死の秘宝館」
を、ようやく国内の熱狂的なファンも読むことができるようになった。作者が「登場人物の3分の2は死ぬ」と語った衝撃のクライマックスは、はたしてどうなるのか…。
あらすじ:主人公ハリーは、妻ジニー・ウィーズリーに隠れて愛人のハーマイオニーとひなびた温泉宿に来ていた。爛れた時間を過ごしたあと、火照ったカラダを冷やすように浴衣で散策するふたり。ふと見ると、車通りの少ない道路脇に
「秘宝館」
と看板を掲げた怪しげな建物が…。ハリーたちは引き寄せられるように、館の門をくぐってしまう。それが恐ろしい冒険のはじまりだとも知らずに…。
今作の注目は、なんといっても秘宝館の中で次々とハリーを襲うさまざまな展示物だろう。人の気配のない、まさに“死”という形容詞のふさわしい秘宝館のなかで、
- 二股大根
- クジラの生殖器
- 黄金のカーマ・スートラ像
- 巫女さんの愛の四十八手映画
- 雪女の愛液
などといった恐怖のアイテムが彼を待ち受ける。果たしてハリーは、エッチな顔出し看板で記念写真を撮影する誘惑に打ち勝つことができるのか…。
評者として言わせてもらえば、読後の感想としては未消化の伏線が気になるといったところか。けっきょく秘宝館とはなんなのか、そして採算がとれているのかといった謎は明らかにされないまま物語が大団円を迎えてしまう。シリーズ最終巻としてはいかがなものだろう。作者にはすべてを明らかにする続編の執筆を期待したい。