米Apple社が先月末に発表した新製品「TimeCapsule」にセキュリティホールのあることが、専門家の調査でわかった。3月に入り、卒業式をとりおこなう学校も多いこの時期。対応は急務と言えそうだが、Appleでは今のところ対応策を明らかにしていない。
問題を見つけたのは、東京都足立区桜中学勤務の田中義之教諭(59)。今年度卒業生の文集や写真などを校庭に埋めるため複数の製品を比較・試用するなかで、TimeCapsuleの欠陥を偶然発見した。この欠陥は
「浸水に弱い」
というもの。同教諭がTimeCapsuleを実験的にグラウンド片隅の地下30cmに埋め翌日掘り返したところ、内部にみっちりと水が入り込んでいたという。
田中氏は、
「仮にも“TimeCapsule”と名付けた製品でありながら、この程度の使用にも耐えられないとは。Appleの品質管理基準を疑う」
と怒りを隠せない。同製品には「容積が小さく文集一冊くらいしか入らない」といった問題もあり、とてもタイムカプセルとして使用にたえないとの指摘もある。
こうした指摘に対し、販売元のAppleは9日現在でまったくコメントを発表していない。同社のユーザサポートのひどさはよく知られているが、子どもたちが思い出を残し巣立っていく儀式を汚すようなことはしてほしくないところだ。桜中学の今年度卒業生は、とりあえずポリバケツをガムテープで封をして使う方針に、急遽変更したという。