“全国初”と銘打って運行開始した「水陸両用タクシー」が話題を呼んでいる。しかし、思わぬところからクレームが…。
「ウチは戦後すぐから水陸両用車を運行している」
と都内の暴力団が名乗りをあげたのだ。
問題になっているのは、大阪のNPO法人「水かいどう808」が国土交通省の認可を受け大阪市内で運行するタクシー。ドイツ製の特殊車両を使い、市内の川・大阪港などを周遊する。同NPOの須知裕曠理事長は「全国初の試み」と胸を張って報道陣にお披露目していたが、これをテレビで見て憤っているのが東京都港区に事務所を構える住吉会系暴力団・稲葉会。
「ウチの組の実績がまったく無視されとる。稲葉会の水陸両用車運行事業は、昭和30年ごろには始まっとる。大阪モンに引けをとらん、長年のノウハウがあるんや」
と、稲葉会の野口政光会長がドスのきいた声で怒る。年間乗降客数は200人以上。みかじめ料を払わない飲食店経営者や政治家の醜聞を暴こうとするブン屋など、コアな客層を中心に利用者が多いという。乗客には無料で大量の酒が振る舞われ、若い衆のていねいな運転で首都高を流したあと東京湾に勢いよくザブン。そのまま天国まで送り届ける。「警視庁お墨付きで証拠の残らない優良サービス」と、顧客の評判は上々だ。
野口会長は、
「どっちが全国初ですぐれているのか、来て乗ってもらえばわかるっちゅーもんや。ちょっと顔貸してもらおか」
と強気の姿勢を崩さない。なお、稲葉会では現在特別キャンペーンを実施中。車ではなくコンクリート詰めドラム缶による東京湾周遊プランを提供している。希望者は同会まで03-893-1564(やくざ・いーころし)で問い合わせて欲しい。