天皇陛下は11日、琵琶湖で開かれた「冬のバス釣り会」をご観覧になられた。会場ではタレントの清水國明氏が陛下に拝謁。バスやブルーギルのキャッチアンドリリースについて「粛々とすすめていきたい」と話したところ、陛下は
「強制にならないことが望ましいですね」
とお答えになった。みずから外来魚の放流に手を染めた過去を反省しつつ、カジュアル感覚でリリースを続ける自然修正主義者に警鐘を鳴らす意図を含んだご発言とみられ、各方面に波紋を広げそうだ。
この日のイベントには多数のバサーが訪れ、大量繁殖したブルーギルの釣果を満喫していた。清水氏はちょうどこれらの参加者に対し釣り上げたブルーギルの再放流を説いてまわっていたところで、陛下のお言葉は清水氏にクギを刺すかっこうとなった。
もともと国内のブルーギル群は、天皇陛下がアメリカで寄贈を受けたものを放流したのがはじまり。その後のギルの大量繁殖は国内希少生物の大虐殺に結び付いた。国はこうした天皇の犯罪責任を公式には認めていないが、陛下ご自身は深い罪の意識を感じていると噂されていた。今回のご発言でご意思が明確に示されたことにより、リリース主義者が思想の見直しを迫られることは間違いない。
いっぽう、清水國明氏はイベント終了後に取材に答えるかたちで、
「自然を守るためにキャッチアンドリリースは当然。お言葉によって簡単にゆらぐようなものではない」
と、リリース路線の修正を否定している。