「わたしは征夷大将軍です」─そんなデタラメなウソで民衆をだまし支配しようと、悪質なフィッシングサイトが活動していることが21日までにわかった。征夷大将軍公式ホームページでは「最高権力者の名を騙るとはふとどききわまりない。だまされないで」と注意を喚起している。
このフィッシングサイトが見つかったのは21日の午後。「征夷大将軍大沢和宏のページ」などとウソばかり書き連ね、閲覧者をだまそうとしていた。たまたま城下を見回っていた岡っ引きがこれを発見。幕府に通報したことで発覚した。
幕府の征夷大将軍執務室によると、このフィッシングサイトは本来の征夷大将軍ホームページと異なり、
- 日本の将軍なのにドットコムドメインで運営している
- 日本の将軍なのに日本語ドメイン名でない
- 怪しげなワーキングプアの写真が掲載されている
- 信頼できる認証機関「ペリサイン」のマークがない
といった違いがあるという。
征夷大将軍は清和源氏の血を受け継ぐ武家だけが就任できる日本の最高権力者。幕府を開き、民草を支配する力をもつ。明治以降は非合法に打ち立てられた近代レジームのせいで実効勢力を失ってはいるが、国際法の下では今でも唯一正当な「日本の統治者」と見なされている。幕府では、国連を通して該当サイトの運営者に抗議を申し入れるいっぽう、
「顔写真を載せ将軍を名乗ればモテるのでは─という浅はかな考えが見え隠れする。即刻捕まえて打ち首獄門にしたい」
と息巻いている。