「事務所として使っている実家があるのは、別のパラレルワールド」
─後援会事務所として届け出ている実家に活動実態がないことを指摘され問題となっている赤城徳彦農水相は8日、記者会見で新事実を明らかにした。問題の事務所は並行宇宙間跳躍の中継点などとして利用していたとのことで、これまでの説明不足を真摯にわびている。
農相の説明によれば実家に活動中の後援会事務所があるのは、われわれの宇宙からプランク相対単位にして1.00032離れたパラレルワールド。非常に近い並行宇宙だが、角度などの点で別時空への跳躍中継に便がよい。そのため、ここ10年ほど超時空活動の際の事務所として使用しているという。該当宇宙では赤城農相に血縁者はいないため、実父らもこの事実を当然知らなかったとのこと。
「地方宇宙への遊説時にはいつも立ち寄る。超時空政治家としての活動になくてはならない拠点。年度によって経費が異常に膨らんでしまったのは、次元間マスドライバーを頻繁に使った年は電気代がかさんだから」
と、非常に納得のいく説明をしている。
他並行宇宙での活動は与党政治家にとって近年ますます重要性が増している。サヨク宇宙・ジェンダーフリー宇宙など異世界からの工作員がわれわれの宇宙に干渉し、事象を恣意的に操作しているという。そのため、本来この宇宙では
- 政治活動費は領収書なしでジャブジャブ使う
- 原爆はしょうがない
- 女は産む機械
- 国教は統一協会
- バカ首相にはメディアはツッコまない
が常識のはずなのに、少しずつ歪みが生じている。コペンハーゲン委員会の計測では、現在の歪曲率は0.98992。いつ“エヴェレットの収束点”に到達して宇宙の融合が起きてもおかしくない状態だ。赤城氏のような超時空政治家が他宇宙への跳躍を繰り返しながら工作員と闘っているからこそ、わたしたちの存在は維持できているのである。
会見の場に居合わせた記者団からは、こうした農相の苦労に思いをはせ感涙にむせぶ声がちらほら。しかし、赤城氏は「超時空政治家の活動は難解で理解されにくい。誤解されてもしかたない」と寛大な姿勢を示した。また、並行宇宙間跳躍者のあかしであるペンダントの「シュレディンガーボックス」を特別に見せてくれるなどイキなはからいも。ボックスの中からは「にゃーにゃー」と鳴き声が聞こえ、「これがあの有名な…」と一同感嘆しきりだった。